人手が足りないと言うことなので、今月だけ昔勤めていたギャラリーに勤務している。
今日なんて社員が誰もいない。
そんなことある？ひとりは困る！と伝えると、以前一緒に勤めていた方が来てくれた。
ヘルプのヘルプって謎すぎる。
でも知らない人じゃなくてお互い安心した。
昨日はそんな状況について好きな人と文でやりとりしていたら。
「明日チラッと顔を出すかも」と言ってくれた。
当日、ウキウキしながら出勤し、もう一人のスタッフさんとランチの時間を確認。
好きな人にも連絡して仕事を進めた。
仕事もひと段落して、スタッフさんもランチへお出かけ。
お留守番の私がひとり外を眺めていると、目の前を素敵な人が通り過ぎてハッとした。
好きな人が来た！！！
目が合ってお互い無言で笑顔になる。
この通りを通り過ぎていく人の中で「素敵！」と思ったことは今までにないので、私には好きな人しか見えていないし、ときめくことがないことを実感した。
好きな人は、よそよそしくギャラリーに入って来て展示作品を眺めて回る。
それでも手はさらりと繋いでいるところがまた最高。
「禁断症状が出てきたから会いにきちゃった」ってまぁ・・・恋人をよろしくないおクスリのように言いますな。
「あんまりくっつくとバレちゃうね」と言われましても誰もいないんですけども。
しばらく展示作品を説明したり、会話をする。
そのうちランチ交代の時間になる。
ヘルプのスタッフさんに「お客さん？気難しい方でしょうか」と聞かれた。
「私のパートナーなんで大丈夫です。」と伝えたらホッとされていた。
気難しそうに見えるんだろうか。
好きな人が中華料理の気分だった。
スタッフさんにも今日のランチは何を食べるのか聞いたら中華料理のお店だという。
好きな人もギャラリーに到着するまでにすれ違う人で二組ほど中華料理のお店に行こうという会話を聞いたとか。
今日は中華料理DAYだったのか？
ギャラリーの近所の中華料理店へ連れて行った。
好きな人は肝臓が悪いようなので私も肝臓についての本で勉強しているのだけど、お店やメニューの選択、食べ方を見ていると、なるほど？と思うところが少しずつ見えてきた。
お互い別々の定食を選んでとりあえず半分こにする。
そして、まず野菜から食べるようにしてみるように伝えてみると素直に実行していた。
可愛い。
美味しかったようで目を瞑って頷き噛み締めて食べている。
可愛い。
好きな人が、推しが、とても可愛い。
しかしこうして味わっているように見えているのに、好きな人は「お米が甘いこと」を意識したことがなかったようで「噂では聞いたことがある」という。
大味にかき消されてしまいがちだけど、素材それぞれには繊細な甘みや旨味がある。
それを感じながらゆっくり食べ進めたら、前よりも健康に楽しく食事ができるかもしれない。
食事中に好きな人のお母さんの話題になったとき「母は私のことが大好きみたいで」と言っていた。
でしょうね。と思ったと同時になんだか少しの不安が過ぎった。
なんとなくだけど、私は母親に溺愛された人から好かれる確率が高い気がしている。
かと言って好きな人がマザコンというわけではなさそう。
聞いた感じではご両親の関係が良くも悪くもなく、お姉さんも結婚して家を出ていて、全員の人生が平行線で進んでいる中、母親の視線が好きな人に向いている感じだろうか。
うちの両親は２人でぼちぼちデートもしているけど、子供に対してはやはり視線は同じかな。
ただ、仲が上手くいっていない時のうちの母は依存先を探していたように思う。
生きるというのはニューゲーム状態なので全てが初めてで常に心細いものだ。
結婚やパートナーがいるからといって一生安心できるとは言えないとわかる。
子供に依存しがちな親も毒親と言われるけれど、わかる。
愛が多いのだ。
それを与える対象を自覚なくひとつに絞るから依存となる。
自覚があるならその対象は複数持っておいた方が毎日穏やかに過ごせる。
少なくとも私自身でそう実証されている。
そんなこんなでランチ完食。
彼はまたお仕事へ。
私はまたギャラリーへ。
別れる前に、ハグ＆キスをする。
「元気出た。午後からも頑張ってね」と言われる。
推しにそんなこと言われたらねぇ。頑張りますよ。
あー可愛かった。
それでも最近2、3日に一度会ってたことを考えると今回は間が４日あったから最長記録かな。
次のデートまで１ヶ月待ってた私たちが今となっては信じられない。
いや、今だに好きな人が私のことを好きなことが信じられていないんだけど。
え？本当に？って毎日思うし、毎日自分を納得させてる。
とはいえ明日もデート。
なのに会いに来ちゃう私のパートナーがとても愛しい。
好きな人の視線は私に向いている。
私からもそう。
だけどこれは依存的なのだろうか。
中毒症状が出てるならそうなんだろう。
誰だって恋愛初期はそうなんじゃない。
もう少し様子を見てみよう。
私は依存させたいわけじゃない。
ただ好きな人には健康に楽しく生きていてほしい。
