あおりんごの凡ぶろぐ

美大を卒業した後、色々な経験を経て、現在は個人事業主&作家活動中

行き当たりばったりの必然性

私には20年来の歳上の友人Sという人がいる。
たまに連絡すると大体ハワイにいたりする。
親戚がいらっしゃるようだ。
その人と話すときは大体、食事に行くお店の相談かアニメや漫画の話になる。
ところがその日は何故か「急なんだけどこの日にこのお寺に行かないか」と言う話を振られた。
しかし提案された日はちょうど私の仕事があったため行けず、別の日に変えてもらった。

提案された前日には、ちょうど好きな人とのデートの日。
暦の上でも天赦日&一粒万倍日と縁起の良い日だったようで、友人Sに提案されたお寺でも珍しいイベント?が行われていた。
偶然だけどデート予定の場所もそのお寺に近かった。
「これは・・・偶然か?必然かもしれない。友人Sがいつもは話さないような内容を私に話したことも気になるし、なんだかこのお寺に呼ばれている気がする」と思った私は好きな人にもこの件を話してお寺に行ってみることにした。

初詣&厄除けになるのだけれど、好きな人と相談し「出来るだけ長く一緒にいるためには健康でいることがベースとなる」と言うことになったため二人とも健康長寿を祈願することに。
そして毎年ここへ初詣に行き、習慣化して日常としようと話した。
もうそんな話ができることが夢みたいだよ。
申し込みを終えてから、境内や参道をぶらつく。

予約時間が迫ってきたので本堂へ移動。
靴を脱いで上がると、ちょうどど真ん中。
ちょうどありがたい説法を聞いた後、祈祷が始まる。
全てのタイミングが出来過ぎていて必然性を感じた。
実は好きな人も同じように感じていたらしい。

最初は正座をしていたのだけど、私は我慢できず途中で足を崩した。
好きな人は最初から最後まで正座で過ごしていた。すごい!
外へ出てから祈祷した特別なお札をもらいに行く。
私は祈祷中、好きな人が健康に過ごせることを祈った。

次に好きな人が行ったことがあるという定食屋さんへ。
好きな人は天ぷらが大好物らしいので天丼、私は鴨せいろ蕎麦。
注文したものがなかなか届かなかったけど、私の手を握りながら穏やかに待つ好きな人。
後から来店したお隣の方の料理の方が早く来るなどしていた。
スタッフはたまに来るものの料理はまだ来ない。
「もしかしたら勤めていた料理人は本来5、6人いるはずなのに風邪でほとんどの従業員がお休みで厨房が大変な状態なのかもしれない」と妄想を始めたのでなんだか可愛くて許した。
この人と一緒だとイラつくことがない。
心穏やか。
そしてその3、5分後にご飯にありつけた。

お腹もいっぱいになったのでお手洗いに行くとまさかの事態。
でも全て自分で揃えていたので事足りた。

せっかく来たので名物も食べてみたくなり、和の喫茶店に入る。
甘党の好きな人は割と和菓子も好きみたいだ。
好きな人が小上がりを発見したのでそこに座って食べた。
お互い注文したものを半分こしながら楽しく美味しく食べることができた。

手を繋ぎながら「この商店街に店を出すとしたら何屋さんがいいと思う?」とか妄想しながら話していた。
好きな人がサツマイモ大好きなので焼き芋専門店にしたら、本当にあったのでやめた。

駅に向かう途中でなんの話の流れか忘れたけど「私は人の好きなものは絶対に否定しないことにしている」と伝えると「それは君と付き合ってから学んだことだよ」と言ってくれた。

次にどこへ行くか話していたら空港の近くに自分達がいることに気付き、特に用事もないけど空港へ行くことにした。
ちょうど夕暮れ時だった。
飛行場を見たり、初めてツーショットも撮ってみた(マスクしたまま)。
夕陽を探しに行って、ベンチでぼんやりと陽が落ちるところを1時間ほど眺めていると好きな人が「おじいちゃんおばあちゃんになってもこうしていたいね」と言っていた。
まだ付き合って数週間なのですが、天然でそう言うことをよく言っている。
それってプロポー・・・・いやいや現実的だろうか。
結婚を考えないのであればプロポーズとは言わないのだろうか。

好きな人は暑さに弱いようで、ダウンを着たまま空港を歩いていてその暑さにバテてしまった。
しばらく外の空気を吸って涼み、ダウンを脱いで戻る。
何が飲みたいか聞いてみると「炭酸・・・ジンジャエールとか」とスッキリしたものをご所望のようだ。
私も気になっていたヴィーガン料理のお店のメニューを見に行く。
好きな人はクラフトコーラにするようだ。
お腹は空いていないと言ってたけど、ラザニアも今度食べてみたいと言う。
少しなら食べられるか聞いてみて、ラザニアセットとクラフトコーラと自分の飲み物を買う。

席でコーラを飲みながらぼんやりしている。
しばらくすると「あれ、もしかしてこのラザニアは自分のために買ってくれたの?」と気付いたようだ。
気付けること事態すごいことだよ。
私が頷くとキュンとしていたらしくて肩に頭を擦り付けてくる。
好きな人が!私に!懐いている・・・・・可愛い!(可愛い)

その日は空港から私が住んでいる場所の最寄り駅まで送ってくれたのでした。