あおりんごの凡ぶろぐ

美大を卒業した後、色々な経験を経て、現在は個人事業主&作家活動中

火の鳥と虫の声



私語厳禁読書専門カフェにパートナーと2度目の訪問。
そこではもちろん自分で持ってきた本を読んでもいいし、お店にある本を読んでもいい。
パートナーはスマホで何か調べ物をしたりメニュー(読み応えのあるこだわりメニュー冊子)を読んでいました。
私は、小説という気持ちじゃなかったので漫画にします。
珍しく手にしたのは手塚治虫さんの「火の鳥」でした。

今まで手塚治虫さんの作品をまともに読んだことのなかった私。
読み進めては衝撃に次ぐ衝撃を受け、その日の内に「火の鳥全巻セット」をポチってました。
パートナーからは「好きそうだとは思っていたけど全巻揃えたんだ。あなたらしいね」と言われました。
読むかはわからないけど1、2巻をパートナーにも貸し出し中。

今私が読んでいるのは、巻数も後半に差し掛かっているところ。
読めば読むほど、手塚治虫さんの知識量の多さや表現力の幅広さや工夫に感服するばかり。

最初は聖書の話かと思ったけど、読み進めるうちに西洋の話を彷彿とさせてきたり。
世界的に有名な絵本にもなっている物語を絡めてきたのかな?と思わせたり。
と思えば日本書紀や歴史、宗教、道徳についての争い、宇宙まで飛び出ての輪廻。
時空を歪めては繋げていたり。
あれ?この物語の構成の仕方はあの漫画にも似ている、なんて気付きもあったり。

こんな感じで表現の方法がいちいちおしゃれなのだ。
読む方にも相応の知識があると余計に楽しめて、考えさせるように構成されている。
いつの時代に読んでも古くも新しい芸術的な本だ。
今だからこそ私は「あの物語を絡めている」と気付けるけれど、昔は難しかっただろうし。
それにまた数十年後にこの火の鳥を読んだら、数十年分の知識が増えているわけだから、現在気付けなかった新たな発見が出来るんじゃないかと今からワクワクしている。

現在、アニメ化に映画化もされているこの「火の鳥」。
昔から人間が繰り返し続けていることに、今こそこの本を読んで立ち止まって向き合い考える時なのかもしれない。

私はこの本の「虫ヴォイス」という生前の手塚治虫さんが語った言葉の再録が好きだ。
この人はとにかくアイデアが溢れて実行したいタイプのようで本当に止まらないのがわかる。
病気で動けなくなっている期間があるのも納得してしまうほどだ。
私も含めた座り仕事の人たちは特に無理は禁物だと思うし、動くことや身体を意識しなきゃ危ないのだ。

しかし虫ヴォイスなんてタイトルも洒落てる。
虫の声って、日本語を母語にする人たちとポリネシア人にしか聞こえない。
他の言語を母語にもつ方々には虫の声は全て「雑音」に分類されるのでうるさいみたい。
それは音を処理する脳の中でも、日本人は虫の声を言語野で認識するからだとか。
昔の日本人は虫に伝言を運んでもらっていたなんて話もありますね。
それって陰陽師とかに出てくる魔法のような術みたい。
式神とかは確かに虫や鳥を使っていた気がします。

京都の神社へ行ったときも、神主さんのお話を聞く機会があって、京都で起こった怪異事件を陰陽師がどのように対処したのか教えてくれました。
話の仕方も構成も手伝ってかもしれないけれど、妙にまとまっていたから納得でした。
とはいえ、きっと皆元々持っている力なんだと思うけれど、正しく力を使う方法を知っている人が少ないということもあるのでしょう。

そういえばこの前パートナーが気になるカレー屋さんがあるっていうから行ってみたら、スパイスを扱う魔女さんのお店でした。
色んな種類の魔法を使う魔女がいることや「私は特にカレーが好きなわけではないの。単に日本人がスパイスを難なく受け入れられそうなものがカレーだったから、その時期によって身体に良い影響のあるスパイスを取り込んで欲しいだけ」と言っていたのは衝撃的だった。

趣味を超えて夢中になれるものがあるならなんだって良いと思う。
私も昨夜ついつい実験に夢中になって制作してたら夜中になってた。
ほどほどにしないといけませんね。