あおりんごの凡ぶろぐ

美大を卒業した後、色々な経験を経て、現在は個人事業主&作家活動中

パンセクシュアルの婚活と一角獣

子供の頃から性別で区分されることが苦手だったあおりんご。
前回のブログにも書いたとおり、低身長&童顔のせいかと思ってました。

ある記事で「パンセクシュアル」というジャンルがあるということを知ります。
これはLGBTQ+の中のひとつだそうです。
世の中にはまだまだ知らないことがありますね。
まさか自分にも当てはまるものがあるとは思いませんでした。

【パンセクシュアル(オムニセクシュアル)】

誰かを好きになるとき、相手の性別を気にしない人のことです。
男女など関係なく、相手がどんなセクシュアリティだったとしても意識せず「人として好き」という感情が多くを占めています。
「パン(Pan)」はギリシャ語で「すべて」という意味であるように。すべての人を好きになる可能性があることから全性愛と呼ばれます。
しかしこれは、全人類を恋愛対象として見ている訳ではありません。
あくまでもその可能性があるというだけであり、相手の人間性を重視するということが多いという意味では、パンセクシュアルの恋愛対象はとても狭いと言えるでしょう。

※1:恋愛対象が狭いというのは、それぞれが「好きになる人間性というものが異なる」ためこう書かれているのでしょう。単に好みの問題。

※2:別のところで「両性愛者」と書いてありましたが、それは「男女」を意識した言葉と認識できるので外見と中身の性が違った人も当てはまることから「全性愛者」の方が近いかと思います。

※3:バイセクシュアルとの違いは、相手のセクシュアリティを意識するかしないかってことらしいです。

※4:そういえば「ちびまる子ちゃん」の作者のさくらももこさんのエッセイを読み進めているのですが、この方もまたパンセクシュアルだったのかもしれませんね。

そんなことを学んで、納得するあおりんご。
だからといって、今は特に誰かを好きになることもない。
出会いもない。
何故なら性別関係なく出会える場所がないから。

【婚活をしたこと】

実は数年前に出会い系・婚活系アプリや結婚相談所にも行ってお見合いをしていました。
もう二十歳になる前から家族や親戚に「結婚を早くしろ」と言われており「30代半ばになっていい人がいなければお見合いをする」とも約束をさせられていました。
付き合っていた人は何人かいたものの、どちらかがダメで結婚まで至らず、のらりくらりと約束の話をかわしている内に、結局約束の年齢を越え、お見合いをする運びになります。

結婚相談所のカウンセラーさんからは面接後
●お相手が時間を作って会いに来てくださっているのですから、楽しませてあげるように。
●外見や服装や会話の内容やデートについての厳しいルール(個人の趣味はガン無視)
というものが課せられます。

カウンセラーさんは良かれと色々アドバイスをくださったのですが
外見も仕草も会話の内容もお相手好みに寄り添い、その場を盛り上げる。
なんて私には「無料での接待を強要されているようだ」としか思えませんでした。
お見合いするごとにお金を支払い、お相手からは出会い頭に頭からつま先まで値踏みされ、初対面でセクハラ発言あり、むしろ仕事での接待の方がお金もらえるからまだ踏ん切りがつくんじゃないかと考えていました。
私が何よりきつかったのは性別を意識されることでした。
これにより毎度自分がカウンセラーさん、お相手、世間、親や親戚から、えぐり取られているように感じ、日に日に精神がおかしくなっていくことを感じていました。
一年半ほど続けて、泣くほどつらくて、親戚にも友人にもこぼしていたほどです。
そしてとうとう限界に達した私は家族に婚活を辞めることを宣言し、結婚相談所も退会しました。
その時の肩の荷が下りた開放感といったら!

辛さの原因がパンセクシュアル故のものだったとは思いもよりませんでしたけれども。
パートナーが欲しくても、お互いの性別で見ている時点で話にもならなかったわけですね。

【性別を超えて好きになること】

思い返せば心当たりはいくつかあります。
自分とは違う性別の人間を好きになったことはもちろんあるし、お付き合いもしてきました。

同じ性別の人のことも「可愛くて大好きだな」としみじみ思っていたことは何度かあります。
ただ、私にはそれが恋心だと認識ができず思春期のせいかな?くらいに思ってました。
現在では相手は結婚もしていて子供もいるけれど、今も変わらず大好きです。

海外に語学留学していたときにLGBTQ+に寛容な街にて知り合いのツテで出会った方が「学校に行く前に寄ってくれたら練習相手になるよ」と言ってくださいました。
会う度に「かっこいいな」とは思うし、一生懸命教えてはくれたものの、私が好きになりそうだったし、相手にもパートナーがいたら申し訳ないと思い会うのをやめました。
それもまた私の勘違いかな?くらいに思っていたのです。

付き合ってきた異性も確かに人間性重視だった気がします。
でもそれは皆そうじゃないの・・・?

【婚活に求めるものは何か】

婚活を進める中で、婚活仲間に性別関係なく何人か出会いました。
会話をしている内に「求めているもの」にそれぞれ違いがあることがわかりました。
・子供の有無
・老後の心配
・世間体
・孤独による寂しさ
が引き金となって婚活を始めた人が多かったです。
聞けば聞くほどお相手へのこだわりは細かくなります。
自分にもそういうものがあるのかを細かく書き出したときもありました。
しかし例えそれが全て当てはまる人がいても「本当の自分の幸せ」に結びつかないとも考えていました。

私はBTSという韓国のアイドルグループが好きなのですが「人間として好き」という気持ちが先行しているため「相手に求めているもの」が特にないのです。
私の人に対する「好き」は、それに近いのではないかと気付きました。
本当にBTSという存在は万能だな。
改めて好き。

【本当の幸せ】

周りから言われる「あなたのためにも結婚した方が幸せじゃないか」という言葉。
本当に私のためなのでしょうか。
この場合、私ではなく「親や親戚が世間的に恥をかかない」ためのものでした。

私の本当の幸せは
・夢中になるものがあること。

・楽しくものづくりをすること。
・作品や自分やお客様と向き合うこと。
・性別を気にせず、自分も他人も人間的に好きなところがある人と過ごすこと。
私はそれらを大切に生きます。

親や親戚の時代には「結婚しない、出来ない人間は異常」とされていたのもわかります。
しかし今は令和で価値観もその頃とは大分変わりました。
結婚するもしないも、籍を入れるも入れないも、姓をどちらにするもしないも、何でも選べる時代。
まだ認められていないところもあるけれど、地域によっては同性婚も可能です。
そしてひとりで生きるという選択肢もあります。
生き方は選べます。
私は「しなきゃいけない」を捨てました。

お見合いは辛かったけれど、このことがわかったおかげで少し自分の見方が変えられてよかったです。
色んな職種や性格の方とお見合いしてひとりひとりの人生観や価値観を知られたのは学びになりました。
皆様が本当の幸せを掴めることを願います。

【”本当の幸せ”を踏まえた人生の一歩】

出せば信頼も期待も売上も上がることがわかっていても、自分の実力が知りたくて学歴も職歴も性別も個人情報を一切書かずに始めた自分のショップ
一年過ぎて振り返ってみると初めてのことをたくさん経験できました。
・デパートでの販売参加
・特注品のデザイン、制作
青色申告書類
・コンペへの作品提出
中でも嬉しかったのは、私の個人情報を一切知らぬまま、お客様やファンの方、ものづくり仲間が私をただの作家として好きになってくれて信じてくださることでした。
お客様は家族ぐるみで作品を喜んでくださっていることを伝えてくれました。
一年前は性別を超えて自分が誰かの推しになるなんて思いもしませんでした。
このことは、とても嬉しく制作の励みになっています。
これからもこの喜びを忘れずに生きたい。

【一角獣の夢】

数ヶ月前でしょうか。
海面からイッカクとカジキマグロが顔を出し、お互い見合わせて私に一言。
「前は一角獣だったのにねー」
と話しているという短くシュールな夢を見ました。
※夢の中のニュアンスでは「前=前世」でした。

確かにイッカクとカジキマグロは角みたいなものがあるけど急に何??

一角獣は西洋ではユニコーン、東洋では麒麟に当てはまります。
どちらも色んな獣の種類がミックスされている上に性別がありません。
うーん、前世が人間ではなかったか。
ちょっと納得する自分がいる。

【映画:ファンタスティックビースト】

「ファンタスティックビースト:ダンブルドアの秘密」を観てきました。


ここからちょっとネタバレ。

 

 

 

 

 

 

 


この話には麒麟が出てくるのですが発音が「チリン」に近くて不思議でした。
麒麟は中国発祥の伝説の生物だったと思うのですが、舞台はブータン
中国にしなかったのは色々と政治的なものもあったのかな、なんて考えたり。
しかもこの麒麟、アジア人の想像する麒麟とはちょっと違います。
私たちは麒麟と想像すると「麒麟ビール」のマークのような馬寄りの生物になるかと思います。
映画ではどう見ても鹿っぽいのです。
国が違うと感覚も少しズレるものなのでしょうかね。
台湾人の友人と観たのですが、同じ意見でした。


今週のお題「好きな街」