あおりんごの凡ぶろぐ

美大を卒業した後、色々な経験を経て、現在は個人事業主&作家活動中

花より団子の進路変更

f:id:aor1ngo:20220411143557j:plainすっかり暖かくなり八重桜も可愛らしく咲き始めています。
和菓子屋さんで三色団子を買ってお花見しながら食べました。

これから新生活が始まる方も多いでしょう。
私も新たな気持ちで、自分の進路を見直してみました。
今まで特注作品を制作していたのですが、それをやめることを決断。
今受けているもの以降のご依頼を締め切りました。

私には「デザイナー」ではなくて「表現者」になりたい!という目標があるのです。
以前、鳥の眼についてのブログを書きました。
その鳥の眼を持って、私は鑑賞者をどこにでも連れて行けるような作品が作りたい。

振り返れば、今までの私は何か役立つものを作らなければと制限をかけていたように思います。
でも今は「何の役にも立たないけど心が豊かになるもの」を作りたい気持ち。
素材も形も何だっていい。
自分に制限をかけずに作りたい。

小学生の頃の記憶はほとんどないのですが、台風の日に祖母の部屋で私は大人しく遊んでいた記憶をふと思い起こしました。
暴風雨と雷も鳴っていたのを覚えています。
お昼か夕方頃、雷が落ちることを恐れてか、電気類は全て切っていました。
薄暗い中でいつもと違う状況に私はワクワクしながらお絵描きをしていました。
それをまた自分に再現したい。

自分がワクワクすることや思想を形にしたい。
折角生きているのだから「やらなくちゃ」じゃなくて、出来る内にただただ楽しんで作りたい。
そう思ったのです。

最近お会いした、ある作家さんが「同じ芸術の学科でも、ひとつの学科は技術を、もうひとつの学科は哲学を学んでいるんだよ。だからお互いにコンプレックスを持っている。でも本当はどちらも出来ないと作品は作れないんだ。」と言っていた。
今私は独学で哲学も学んでいると伝えると、とても喜んで応援してくれた。
色んなことを考えて、突き詰めて、私だけの思想を作りたい。
そして私だけの形を作りたい。

10年以上前、忙しい日々を過ごす中で思ったことがある。
「昔の芸術家や哲学者は何故あんなに沢山発見や作品を次々作ることができたのか。お金はなくてものんびりとした日常を送れたから思考する時間がたっぷりあったんじゃないか。」
今それが私で実証されている。

忙しかった日々は、良い経験にはなったけれど自分が空っぽだった。
今の私は生きている実感がある。
自分で自分の生き方が好きだと言える。

私の技術は完璧じゃないけれども、平面も立体も制作技術は持っているし、独学で色々と学び積み上げているものがある。
まだまだ形にはなっていないけれど、私自身完璧なものを望んでいない。
私が好きなものは完璧じゃない。
それが人間にしか作れないものだと知っているから。

今年は私にしか作れないものを探そうと思う。

お題「これ買いました」